sixtyseventh.diary

とりとめはない

2020-04-08

4月8日って何の日だったかな。これはこの日だ,というのがいくつかの月日に引っ張られるものの,なんだか思い出せなくてもやもやする日もある。例えば,大学入試の合格発表の日。例えば,小学校のときさして仲良くなかった「幽霊が見える」子の誕生日。例えば,この人のために生きようと思って叶わなかった人と初めてあった日。4月8日はどれでもない。

特に大きな理由はないが,昨日と同じ公園に3歳を連れて行くのは嫌だと思い,O公園まで行く。東上野を通り抜け,非常事態宣言(あれ,緊急事態宣言だったか……?)の発出をしみじみ感じる。東上野には,遊技場に納入する機器メーカーの事業所がいくつかある。遊技場と言った方がなんだかかっこいいからであって,これが何かといえば要はパチンコ,パチスロのメーカーのような会社が多い。彼らはスーツを着ており,上野・御徒町の居酒屋に飲み代をちまちま落としていってくれるよい人々だ。事業所の殆どが静かにしており,中に出勤した人がいるのかも定かではない。普段だと,路上駐車をしているトラックから機器を運び出しているのが見えたりするものだが。肝心の卸先が閉店になってしまえば,彼らも仕事が難しくなるのだろう。常ならぬ風景。

更に昭和通りの方へ進めば,そう広くはないが東上野のコリアンタウンにも出ることができる。キムチや肉の商店は少し開けてはいたが,焼肉屋はだいたい休業。非常事態宣言の発出を契機にしたものではなく,数日前から休業している店も少なくない。東上野の焼肉屋のうちには,かなり美味しい焼き肉が,そんなに値をはらず楽しめる店もあり,ちょっとした気晴らしにとても良い。気晴らしにとても良い店が閉まっているというのは,直近の気晴らしの選択肢が一つ消えているということで,やっぱりこれもまた気落ちする原因の一つになる。

O公園につく頃に,4月8日はそうだ,花まつりだ,と思い出した。花まつりというと,三田で講義をとっていたときに増上寺花まつりに立ち寄ったことがある。半年程度の三田キャンパスメイン生活は色々なことがあって面白かった。藤沢の思い出は,とかく移動時間に割かれることが多い。それと,深夜のキャンパス。

3歳を見守りに砂場に同行していると,他の子連れの親に話しかけられる。人見知りではないものの,どうしても,ついでに話しかけられることが多いこの育児のいくつかの場面があんまり好きではない。子供の年齢や,名前,今日はどうしてますか,いつもはどうしてますか……そういう質問に対する回答のいずれかが「すごいですね」と言わなきゃいけない内容となるのが面倒になる。相手に言うにしろ,自分たちが言われるにしろ,心にもないような「すごいですね」を引き出すことになるのが面倒臭いと思う。だいいち,私は私で生きていて,子供軸で何かを感じ発見しているわけではないので,3歳について話すということがどうにも気が乗らない。3歳が自分で話して欲しい。年齢や名前くらいなら話してくれるけれど,それも照れて何も言わないときがある。話の切り上げ方もよくわからないし,とか思っているせいで私のLINEにはママ友からの連絡がないのである。

公園の帰りにラホールでブラックカレーを買い,子供には別で簡単な昼飯を用意。子供の昼寝中にどうぶつの森をやる。子供が起きてきてから,あんまり記憶がないが,夕方は夫が子供をつれて買い物に行き,マクドナルドでスパチキを買ってきてくれたのでそれを夕ご飯にした。夕方といえば,保育園のメールに,区から登園自粛要請が出ているという知らせが書かれていた。登園自粛期間は公園が断続的に混むのかな,それもどうなんだろうな,とは思う。今は結局そこまで混んでないから利用している。3歳を終日家に閉じ込めておくのはなかなかしんどいものがある。それは,大人にとってしんどいのか,子供にとってしんどいのか……多分両方で,少なくとも大人は公園に放っておけば罪悪感が薄れるのだ。そうでなければ家でずっとかまってないとならないんじゃないかという強迫観念がある。私はそういうところが潔癖気味なのかもしれない。

とにかく,O公園の散歩とカレーの買い出しに徒歩で行ったら往復2時間くらいかかったので非常に疲れた。自転車で行けばよかったのだけれど,どうしても街の様子を見たかった。明日は多分,近い公園に行くだろう。

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