sixtyseventh.diary

とりとめはない

だってお前らは、いくら陰鬱な顔をしたって、お前らは人を殺した。

プログレッシブがなんだ、Summer '68を聞きながら無性に腹が経った。センチメンタルにストリングを震わせてもお前らは米軍として沖縄諸島を日本列島を殺した。次々とやってくるボーイ、傍らで焼き尽くされた円覚寺、もう首を無くした坐像は2022年5月、焼かれなかった上野公園でライトを浴びる。

だってお前らは人を殺して、あの夏を歌う。1968年、日本の大学生は安保闘争をした、沖縄はまた、好き勝手占領され、そしてその話は半世紀以上解決しない。

そして、思う。だってお前ら、お前らは、と霞が関や皇居に思う。お前らは人を殺した。どうして諦めなかったどうして平伏しなかったもっと早く平伏していれば。「沖縄戦により消失」と冷静に記すヤマトゥグチをぶん殴れたのに。

私の住む街は、震災と戦災でマス目上に宅地が整備された。私の曾祖父は沖縄に還れないまま、満州から鹿児島に直行。スパムを密輸して荒稼ぎしたという噂と、自動車学校をやって暮らしていたという事実と。沖縄の人の痛みを、沖縄の苦しみを。そういう言葉じゃなく、だってお前らは。お前らは人を殺させたのではないか、

私は? 私は──

どんなふうだったか、どんなふうか、曖昧なメロディが。ああ、もっと広い海を、広い海の真ん中を、船は、島は。中心が端になったそのときに、海は、海は怒らなかったのか? ノロは、なんと呪うのだろうか、そのときに。

メランコリックなものは両手が人の血で塗れていることに気づかない、「私の両手は清潔だ、消毒済だ」。