sixtyseventh.diary

とりとめはない

2019-07-14+15 少女歌劇レヴュースタァライト -The Live - #2 revival 感想

要約

アニメからハマって舞台に行く機会を得て(ありがとう,Sちゃん),ライビュ見て,スタァライトという作品(プロジェクト)にうちのめされた。

経緯

  1. 女の子がいっぱい出ているので,という理由でゲーム(通称 スタリラ )を始める
  2. 所見では香子かわいいなと思ったが,甘ったれやんけという理由で凛明館の文を推しつつゲームを適当にやったりやらなかったりする
  3. アニメ無料配信をSちゃんがおすすめしていたのでGW中見て聖翔にハマる。特に大場ななにどハマリする(アニメの話は割愛)
  4. スタリラだけじゃ足りないよと思いコミック等読むがなんというかモラトリアム
  5. 舞台のリバイバル公演があることを知り,とりあえず比較的近所の映画館のLV取る
  6. という状況で舞台に行っていたSちゃんが更にチケットとるというので便乗させてもらった
  7. 気付くと舞浜にいる

アンフィ舞台の感想(2019-07-14/マチネ/下手)

そもそもの話

いわゆる2.5次元と言っていいのか,そういう舞台を見に行くのは数年ぶりで,見に行ったことのあるものも先輩に誘われたテニスの作品のゲネプロくらいなものだったので,結構緊張していた。主に結構好きなアニメの舞台楽しめるのかな,だって平面と人間違うじゃん……という心配である。正直なところ,舞台の画像を見ると「え,ああ,うーん」みたいな気持ちになっていた。17歳の女の子たちではない。それに私は演者さんのことをほとんど知らない(三森すずこさんだけ名前を知っていた)。とはいえ舞台は気になる。知らないで距離を置くのはもったいない。見てハマれなかったら二次元にこもっていればいい。

舞台の話

最初数分は「まあそりゃ人間と美少女キャラは違うわよね」とうっすら思っていたものの,舞台演出のなせるわざか,あるいは演者さんの迫力か,聞き慣れたの声か。気付くとそこには舞台少女がいた。いや,信じがたい人も多いと思うしハマれるかどうかも人によるとは思う。ただ,かつての先輩の言葉を借りるなら,舞台少女の依代がそこにはいたのだ。依代という言葉もよく考えると必ずしも適切ではないのだが,舞台上で慟哭し,レヴューで戦い,絆を見つけるそれは確かに舞台少女だった。

  • 八雲先生ちょうかっこいい
  • ふたかお(双葉と香子)の舞台の私物化が凄まじい(武器の交換はいやらしすぎる←私がアホなだけ)
  • This is 天堂真矢
  • アンフィの舞台の形がフィットしていた,いままでの舞台を知らないが通路も使ってレヴューをするなんて!
  • 目がいくつあっても足りないと誰もが言うように,目がいくつあっても足りない
  • ストーリー自体は,まぁそんなにすごい仕掛けがあるわけでもないが,舞台を最大限に活かした迫力あるレヴューを展開できる内容だった

ライブの話

エンターテインメントとして,舞台(ミュージカル)とは違うアプローチで舞台少女を魅せているものなので,ライブ自体にはがっつりハマってはいないです。正直。とはいえ音楽も馴染みやすく(というか知ってるものが多い),舞台を経るとキャラクタだけでなく演者さんに対しての特別な気持ちも芽生えているので,単なる二次元作品ファンのライブとは違う良さがありました。

全体的な感想

とにかく充実した時間を過ごした。ずっとこの舞台を見ていられたらいいのに,と思った。人におすすめできるレベルの高いエンターテインメント。少なくとも,ファンが少ないからという理由でなくなってしまうことがあってはならないと思う。

ただ,舞台を楽しめるかどうかには残念ながら重要な前提があり,舞台少女のことを知り・キラめきに心奪われることが(程度の差こそあれ)出来たかどうか,がかなり重要になってくる。

もともと,アニメ作品の声優イベントに慣れている人はもしかすると舞台やライブから入っても楽しめるかもしれない。ただ,スタァライトはいわゆる豪華女性声優を揃えたアニメから始まったものではなく,ミュージカルから始まったものなのだ(そういう意味で,一般的な2.5次元とも違うと言われている*1らしい)。ただし,ミュージカルの最初を見逃した我々が,ミュージカルから入ることは極めて困難。いきなりミュージカルの円盤買って入る人がいるかというと疑問である(可能であればそういう入り方をしてみて欲しい。私とは違う,もっといい楽しみ方があるかもしれない)。

ではアニメを(あるいはゲームや漫画を)見て,多くの人がハマるかというとそれも怪しいと思っている。まず,結構な百合作品である。これは公式でも敢えてやっているフシがある。作品の中でカップリングが彼女たちで組まれている必然性に私は納得できたものの,逆に公式で組んでいるカップリングに納得できない場合,作品にハマることはかなり難しい。なお,百合作品自体無理という場合には言うまでもない。LGBTとしてのレズビアンまで展開して話をしているかというと,これは女子校という特異な環境で展開されている作品なので不明瞭である。学校を卒業したあと,ヘテロセクシャルとして男性と恋をしそうなキャラもいる。私見だが。

アニメのストーリー自体,難癖をつけようと思えばつけられるので,行間のめちゃくちゃ広い作品や,余白のめちゃくちゃでかい作品でないと入り込めない人にもあんまり向いていない。独自の解釈の入り込む余地がないわけでもないし,ストーリーがキャラ萌え一辺倒でも当然ないのだが,ある種強火オタクを生み出しづらい(良い意味で)適当な距離感を持った作品なのである。この良い意味ではあくまで私の感覚なので,原典主義を嫌う人には向いてないだろうなと推測している。

つい作品の話をだらだらしてしまったが,とにかく,舞台少女に魅せられ,舞台少女のキラめきを求めるキリンとなった私にはとてもよい舞台体験だった。

ライブビューイング(以降LV)の話(2019-07-15/千秋楽/右東京TOHOシネマズ)

そもそもの話

LV自体初めてだが,時系列的に参加を決めたのはこちらが先。まず,劇場の前売りを逃していたこと,そしていきなり舞浜のアンフィなんとかという舞台に行くのも不安だったこと。大体面白いのかわからなかったのでとりあえず近場でLV取るかということで取った。

LVの感想

LVのみ参加した人には非常に申し訳ない言い方をするが,舞台を先に見ていて本当に良かった。目がいくつあっても足りない状況ではなかった。視点として,一つの模範解答を得ることが出来たのは貴重だが,それぞれの好きな見方をするのも本当によい。 舞台に比べてLVはアニメ・ゲームキャラクタ-演者さんのチューニングにやや時間がかかった印象。顔がアップになるので,数分,「ちょっと違うんだよな」という気持ちにはなってしまった(が,チューニングさえ済めば気にならなくなった,いやむしろもっと顔映してくれ表情みたいから,と思った)。

仮にこれが動画で生中継されていて,それを家で見るのと,映画館でLV見るのと,どっちを選ぶかと言うと断然後者だった。見知らぬファンたちとベンライトを振りながら盛り上がるライブは良かったし,ファンサ的な百合サには黄色い悲鳴が上がっていた(LVはもしや女性のほうが盛り上がり慣れているのだろうか)。昨日は私の真横の通路を双葉はんとばななはんが駆け回ってたんやで……と反芻しながら見るのもまたおつであった。

一応二度目の観劇にはなるので,昨晩に比べて青嵐のキャラクタのことも分かっていたし,そういうもろもろを込めた演者さんの最後の感想コメントがとても胸に沁み渡った。そして私も泣いてしまった。いろいろとぐっと来たが,石動双葉役の演者さんのコメントが本当によかった。来週の聖翔祭も楽しみにしています

スタァライトについて

この二日間で,むしろ俺がアタシ再生産だぜ……というくらい,この作品への愛が深まってしまった。ぜひ,好きな人が増えてほしい。ゲームからでもいいし(とはいえ面白いゲームかというと微妙かもしれない),可能ならばアニメを見てほしい。それか,抵抗がなければミュージカルを見てみて欲しい(慣れている人ならキャラクタとのブレとか気にならないと思う,見た目以外というのも不適切だが,とにかく画像のような見た目以外は舞台少女そのものなので)。

しかし,走駝先生は言う。「舞台は面白ければいい」。「舞台が求めている」。キリンが求めているそれは,ファンの求めているそれにほかならないのではないか。しかし舞台少女は舞台に生かされている。キリンは,ファンは,決してキラめきを消費するだけではない。舞台少女が舞台の上でのスタァであることを渇望するように,キリンもまた,舞台少女の情熱を渇望し,舞台少女の求める舞台を常に創造しつづけているのだ――それが,舞台創造科のみなさんという立ち位置に現れていると思うのは考え過ぎだろうか。

Show must go on.

新作が来夏上演されることが発表された。舞台少女は日々進化中,私も進化していきたい。